会長挨拶

kaji100

このたびは、「全国100km徒歩の旅推進協議会」のホームページにお立ち寄り頂き有難うございます。さて、日本社会が抱える問題は山積しています。失業者問題、離職率の拡大、格差社会、企業の不正問題、政治腐敗、凶悪犯罪、いじめ、自殺と数え上げれば切りがありません。
新聞、テレビから毎日のように飛び込んでくるニュースを見て、驚かなくなった自分自身が怖い気さえします。

また、核家族化が進み、先祖代々受け継がれてきたであろう、その家の、その地域の文化・伝統・習慣・ならわし・風習・躾の継承が難しくなりました。さらには家庭の中でも個人主義を履違え利己主義となり 「家族意識」が薄らぎ、自分の家族でさえ「見えない」という家庭も少なくありません

さらには、少子化社会となり、いつのまにか一人の子どもを過保護で育て、「シックスポケット」と揶揄される現在、このうような環境で育ってきた多くの若者が社会に出て実社会の壁にぶつかり、その壁を乗り越えることが出来ず、社会参画ができずにニートになる若者も少なくありません。自分以外のポケットに頼っていた、若者がいざ社会に出て自分のポケットで生きて行け!といわれたとき、ポケットの中には「生きていくための道具」が何も入っていないという若者が多くなったのです。これは、なにも子どもや若者に限ったものではありません。
私たち大人にも同様のことが言えます。生まれたときから平和で豊な時代に生まれ、何一つ不自由なく育った現代人の共通の特徴かと考えます。

私たちは、このような社会問題の中で、小学生の時代に「100km徒歩の旅」を通じて「自分はやれるんだ!」という「自信」をポケットに入れてあげたいと考えています。

また、小学生対象の「100km徒歩の旅」ですが、この事業はに多くのボランティアの方々の力添えで実施されています。中でも学生スタッフの皆さんの力は大きなものがあります。100km徒歩の旅では、学生スタッフの皆さんの育成にも力を注いでいます。

事業開催は夏の4泊5日ですが、早いところになると、年明け早々の1月から準備、研修、会議を実施し、費やす時間は400時間を越えるところもあります。
学生スタッフの方々の成長が事業の成功に大きな関わりがある事は言うまでもありませんが、 社会デビューを間近に控えた学生の方々を、この「100km徒歩の旅」を通じて育てる事は社会的な意義があると考えています。また、緊急課題であるとも考えています。

人間は大人であれ子どもであれ、過去の記憶と照合をして、そこでイメージされるものが「快」の感情を伴うのか、「不快」の感情をともなうのかによって、「やりたくない」「やりたい」の選択をします。

苦しいことや辛いことは誰しも好みません。しかし、苦しさの後の喜び、辛さの後の楽しさを知っている人はそうではありません。また、喜びや感動を得るためには苦労や辛さを乗り越えることが必要であるということを自身が体験を通して実感していれば苦労から逃げることはないのです。逆に目的を持っていれば進んで苦労を経験する事にもなるわけです。
そういった意味でも子どもの頃に体験を通じて自信を持たせることは、子どもの今後の人生を大きく左右する事と考えます。

出来る出来る必ず出来る やる気があれば必ず出来る
出来ないと思えば出来ない 出来ないと考えず出来ると信じ
永遠に自分は進歩したい 出来る出来る必ず出来る

こんな気持ちを子どものうちに身に宿すことが出来ればと考えています。

また、我が子の成長だけを願っても、子どもは環境によって大きく影響します。
我が子の成長を願うならば、地域全体の子どもの成長がなければ我が子の成長もないと考えます。地域の子どもを自分の子どもと考えて「自分たちのまちは、自分たちで創ろう」「地域の子どもは地域で育てよう」そんな住民自治の精神が、この「100km徒歩の旅」を通じて全国に広がればと考えています。

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